Thursday 28 February 2013

文章

なんの衒いもなく書ける文章というのは多分なかなかなくて,
会話のなかではお互いに話すという対称性と,
聴いて考えてすぐに話して,それが実体としては残らない
という即時性みたいなもののために幾分それが薄まるけれど,
文章を書くとなるとそういうわけにもいかないのだろうとおもう.
そこで例えば匿名性を高めて「誰でもない誰か」としての立ち位置を作ると
衒う相手も薄まっていくからより心地よく文章がかける面はあるのだろう.
そこにどうしても残るのはやはり他者としての自分で,
そういえばこういう書き方をする時には
脳内審議会みたいなのの構成員というような考え方と今書いてる自分の別視点みたいな考え方と
あんまり区別せずに書いているが実際の感覚はどっちに近いのだろう.
などと書いてる文章もやっぱり自分で気持ち悪い.

…などと供述する,寝られない深夜4時の妄言.
(そしてこういう書き方も衒いの少ない文章を書く時の精一杯の衒いかもしれない.)

Monday 25 February 2013

gyroscope

gyroscope.
といえば,やはり思い出すのは地球ごまだろうか.
地球ごまといえば,物理好きな少年のはじめの一歩のひとつ.
僕自身はどちらかといえば電磁気が特に好きだったのだけれど,
いわゆる力のモーメントから入って角運動量とか慣性モーメントとか,
そういった範囲の例としても出てくるかもしれない辺り.
質点についての知見をががっと大きさのある物体まで持ってこられて,
高校のときに気持ちよかったのを憶えている.

そして,やはり,そうした話題といえば,物理室と,物理準備室.
薄暗くて,ほんのり冷たくて,静かな部屋.
棚にはひっそり,いろんな実験器具が眠っている.
特にいろんな器具のある物理準備室にはずっと惹かれていて,
授業で物理室を使ったときに密かに忍びこもうとしたり,先生を拝み倒そうとしたり,
色々したけれど,先生はなかなかしっかり部屋に入れてはくれなかった.ちらちら中は見られたけど.
うちの高校には物理室化學室生物室あたりがあって,
化學室と生物室についてはそれぞれ化學部生物部があり,
放課後には部員がたむろして,準備室もある程度部員の自由に使える状況だったのだけれど,
物理部というのはなくて,物理準備室は僕にとって秘境みたいなものだったわけだ.
(僕は化學部に在籍していたのだが,途中から殆ど化學部物理科みたいな活動をしていて,
化學部はそういうのを許してくれる懐の深い部活だった.学校全体がそういう雰囲気だったかも.)

そのうちに僕を中心に,化學部の文化祭の展示で物理展示をしようという話になって,
物理準備室の実験器具も色々使わせてもらえることになった.
オシロスコープ出してきてもらって使い方教えてもらったり(真空管入ってるような奴),
霧箱,磁石,磁力線の観察用のアレ,Van de Graaff の起電機,
静電気の実験用のいろんな小片,蒸気機関の模型,ばね,
オイルのやや滲みでた誘導コイル,いろんな圧力の気体を詰めた放電管,羽つきの放電管,
陰極線の実験用のもの,音叉に共鳴箱,鉄球や振り子の類,滑車に荷台,
物理教師でもあった先代の校長が作ったという,圧力の実験用にベニヤ板に大量の釘を打ち込んだもの,
回折格子,二重スリット,墨を塗ったスライドグラス,レーザポインタ,その他いろいろ.
地球ごまもあった.
授業で使ったものも,まだ使っていないものも,結局多分授業でお目にかからなかったものも,
準備室はそうした実験器具がひっそりと棲んでいるようで,
そしてそれらの奥に横たわっている物理の法則のことを考えたりして,
準備室にすこしは入り慣れたころになってもまだ,どきどきしたものだった.

うちの部活では部活の中心は高2ということになっているのだが,
懲りない僕は高3になると,文化祭(9月の半ば)で生物部出身者とかと結託して,
(目標としては)物理化学生物地学全部見せます,というような展示を,部活とは別の有志の出展として企画した.
あとで知ったことだが,私学で,(一応)進学実績を売りにしている部分もある学校だったのもあってか,
教員の中には高3が文化祭でそうやって展示をするのを快く思わない向きもあったらしいが,
物理系の先生はみな応援してくださっていて,物理室も快く開けてくださったりした.
この時は少人数で,ときどき集まってプラン立てたり実験したり,
生物部や化學部の備品も少しずつ借りて,のったり準備していた時のことが,
あるいは文化祭当日の忙しさとか,そういったことが,
ずいぶんはっきりと思い出される.


夏の日差しと, 薄暗い準備室と,器具をみたときの心のときめきと,
一緒に実験したり展示したりした友人たちと,その頃みたいろんな景色や表情と,
外から聴こえてくるブラバンの練習の音と,
展示を見に来て面白いといってくれた物理の先生と,
まだまだ,弾け出てくるたくさんの記憶.
gyroscope は,僕にとって,そういう単語です.


Tuesday 5 February 2013

先々週辺りから色々予想外な体調の崩し方をしていましたがずいぶん復帰しました.
頂いたお題は近いうちに書ききりますのでどうか気長にお待ちを.ありがとうございます.

beamer : \end{frame} in verbatim environment

beamer では,\verb|| などを含む frame では
\begin{frame}[fragile]{title}{subtitle}
    texts here
\end{frame}
[fragile] オプションを与えねばならず,それでだいたいうまくいくのだが,
verbatim 環境 \verb|| のなかに \end{frame} が入っている場合にエラーが出る.
7 Feb 2013 0200JST :こんな深夜にどうかと思いますが, 今やったら
\verb|| の方は普通に通ったので一回取り下げます.
これを書いた時の僕か今の僕かどちらかがぼけてるということ,と思われます.
ただつい10時間ほど前に texlive2012 入れたのでその辺のアレも一応疑っておきましょう.
(なおこれはたとえば article とかでは普通に通ります.)
ソース:
\documentclass[pdflatex]{beamer}
\begin{document}
\begin{frame}[fragile]{title}{subtitle}
    \begin{verbatim}
        \end{frame}
    \end{verbatim}
\end{fragile}
\end{document}
verbatim の場合
Runaway argument?
^^M
! File ended while scanning use of \@xverbatim.
<inserted text>
                \par
l.5         \end{frame}

verbatim 環境の代わりに verb|\end{frame}| の場合
Runaway argument?
! File ended while scanning use of \next.
<inserted text>
                \par
<*> bem.tex
 なお,この \end{frame} が他のもの, \end{document} とか \begin{frame} とか,
 なら普通に通って予期された結果が得られる.

さて,この大変奇妙な事態.
\verb とか verbatim 全体が駄目ならまだ話はわかるけれども,
\end{frame} が駄目というのはどういうわけか.
  これを書きながら思いついたけど,そういえば \end{verbatim} を出そうとして
\begin{verbatim}
       \end{verbatim}
\end{verbatim}
ってやっても通りませんね.その辺に類似した事象なんだろうか.
ちなみに
\begin{verbatim}
      \begin{verbatim}
      \end{verbatim}
\end{verbatim}
も駄目.

 さて,TeX とか  LaTeX とか beamer でなにが起こってるのかを調べるには僕のスキルは不足していて,
とりあえず検索かけるといくつか同様の話題は見つかる
  (http://latex-beamer-class.10966.n7.nabble.com/end-frame-in-verbatim-td1457.htmlとか
http://compgroups.net/comp.text.tex/beamer-bug-end-frame-inside-of-verbatim/1936178 )
ものの,ここで挙げられている対策は  
[fragile] ではなく [containsverbatim] をオプションとして指定する
というもの.
この [containsverbatim] オプションは今回初めて知ったものだが,
beamer のドキュメントでも触れられていない. ちょっと古いコマンドらしい.
実際これでコンパイルは通るのだが, containsverbatim 下では \pause が効かない.
(cf. http://tex.stackexchange.com/questions/55687/pause-wont-generate-extra-slides-in-a-containsverbatim-frame)
僕のやった限りでは当該 frame のはじめの \pause 以降が出力されず,
次の  frame は出力される,といった感じ.

…というわけでこれはできるだけ使いたくない.
と,なると,ですね.とりあえず今のところ僕の見つけた最善策は,
beamer に用意されている semiverbatim 環境を使うこと.
この環境では \, {, } は普通の環境と同じ意味を持ち, \ { } は \\ \{ \} で出力する:
\begin{semiverbatim}
       \\end\{frame\}
\end{semiverbatim}
 でこれはちゃんと通る(のだが今度は置換とかめんどくさいのとソースの可読性が下がる……).

というわけで珍しく真面目にエラー吐くケースの報告と
とりあえず欲しい出力を得る方法でした.
beamer か verb かその辺の何かが問題なんだと思うのですが詳しい人,どうなんでしょう.
そのうち TeX wiki とか tex.stackexchange.com に投げてみてもいい.
% 例によって mathjax との衝突と思われるレイアウト崩れが発生したので
% blog 全体への mathjax 適用を外しました.
% 別にここでは mathjax 呼んでないんやけどな……
%  なにか解決策ご存知の方があったら教えてください.